📝 ニュースの要約ポイント
- AMD Heliosは、NVIDIA Rubinに対抗するラックベースのAIソリューションであり、OCPのDouble-Wide Rackを採用することで、従来のラックよりも広いシャーシを実現している。
- シャーシ内部にはMI455X×4、Venice、Vulcano×12、Salina×1が搭載され、シャーシ間のScale-up NetworkにはUAL、ラック間のScale-out Networkには400Gイーサネットが採用されている。
- Scale-upにはUALを使用し、HPE Juniper Networkingのハードウェアとソフトウェア、BroadcomのTomahawk 6ネットワークチップを活用したUALoEをベースに構築される。
Heliosとは? NVIDIA Rubinへの挑戦
AMD Heliosは、CES 2026で発表された、AI/HPCワークロードに特化した最先端のラックベースソリューションです。NVIDIAが発表したRubinに対抗する製品として注目されており、その詳細な仕様が明らかになりました。Heliosは、単なるGPUの集合体ではなく、高度な相互接続技術と冷却システムを組み合わせることで、圧倒的なパフォーマンスと効率性を実現することを目指しています。
NVIDIA RubinがVera Rubin Compute Trayという形でGPUを効率的に配置するのに対し、Heliosはより柔軟な構成を可能にする設計となっています。これは、多様なワークロードに対応し、顧客のニーズに合わせたカスタマイズを容易にするためです。
OCP Double-Wide Rackの採用とシャーシの余裕
Heliosの基盤となるラックは、OCP(Open Compute Project)のDouble-Wide Rack(ORW)を採用しています。Metaが2025年10月に発表したこの規格は、従来のラックよりも幅がほぼ倍に近く、1シャーシあたりのスペースに余裕を持たせることができます。これにより、冷却性能の向上や、より多くのコンポーネントを搭載することが可能になります。
実際にCES 2026で展示されたHeliosのシャーシは、NVIDIA Rubinのシャーシと比較して、かなり余裕があるように見えます。この余裕は、単に見た目の問題ではなく、冷却システムの設計や、将来的な拡張性を考慮した結果と言えるでしょう。
Heliosの構成要素:MI455X、Venice、Vulcano、Salina
Heliosのシャーシ内部には、以下の主要なコンポーネントが搭載されています。
| MI455X × 4 | AMDの最新GPUであり、AI/HPCワークロードに特化した高性能な演算能力を提供します。 |
| Venice | CPU。MI455Xと連携し、全体のシステムを制御します。 |
| Vulcano × 12 (カード6枚分) | Pensando社製のデータ処理ユニット(DPU)。ネットワーク処理やセキュリティ機能を強化します。2チップで1枚分のカードとなるため、物理的には6枚分のカードとなります。 |
| Salina × 1 | DPU。Vulcanoと同様に、ネットワーク処理やセキュリティ機能を強化します。 |
これらのコンポーネントが、高度な相互接続技術によって連携することで、Heliosは圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
相互接続技術:UALと400Gイーサネット
Heliosのシャーシ間のScale-up Networkには、UAL(Ultra Accelerator Link)が採用されています。UALは、200Gbps~800Gbpsの高速なデータ転送を可能にする技術であり、GPU間の通信を効率化します。HPE Juniper Networkingが開発したUALベースのUALoE(UAL over Ethernet)が採用されており、オープン規格に基づいた柔軟なネットワーク構築が可能になります。
ラック間のScale-out Networkには、400Gイーサネットがシャーシあたり1本使用されます。これにより、複数のラックを接続し、大規模なAI/HPCワークロードに対応することができます。
Infinity FabricとPCIe Gen6の役割
MI455XはVeniceとインフィニティ・ファブリックで接続され、VeniceとVulcano×6がPCIe Gen6 x16でつながっていると予測されます。同様に、SalinaもVeniceに接続されているものと考えられます。
この構成により、GPUとCPU間の高速なデータ転送が可能になり、AI/HPCワークロードのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。PCIe Gen6は、PCIe 5.0と比較して2倍の帯域幅を提供し、データ転送速度を向上させます。
市場への影響とターゲットユーザー
Heliosの登場は、AI/HPC市場に大きな影響を与える可能性があります。NVIDIA Rubinとの競争を通じて、AI/HPCソリューションの価格競争を促進し、より多くの企業がAI/HPC技術を導入する機会を提供することが期待されます。
Heliosは、以下のようなユーザーにとって最適なソリューションとなるでしょう。
| AI研究者 | 大規模なAIモデルの学習や推論に必要な計算能力を提供します。 |
| HPCエンジニア | 複雑なシミュレーションやデータ分析に必要な計算能力を提供します。 |
| データセンター事業者 | 高密度なAI/HPCワークロードに対応できるインフラを提供します。 |
| 企業 | 自社でAI/HPC技術を活用し、ビジネスの競争力を高めたいと考えている企業。 |
前世代モデルとの比較と価格
Heliosの前世代モデルとしては、AMD Instinct MI250Xなどが挙げられます。MI250Xと比較して、HeliosはGPUの性能向上、相互接続技術の進化、冷却システムの改善など、多くの点で進化しています。
価格については、現時点では明確な情報はありませんが、NVIDIA Rubinと同程度の価格帯になると予想されます。ただし、Heliosはより柔軟な構成を可能にするため、顧客のニーズに合わせて価格を調整できる可能性があります。
まとめ
AMD Heliosは、NVIDIA Rubinに対抗する、最先端のAI/HPCラックソリューションです。OCP Double-Wide Rackの採用、高度な相互接続技術、そして強力なコンポーネントの組み合わせにより、Heliosは圧倒的なパフォーマンスと効率性を実現します。AI/HPC市場に大きな影響を与え、より多くの企業がAI/HPC技術を導入する機会を提供することが期待されます。
出典: ASCII.jp:CES 2026で実機を披露! AMDが発表した最先端AIラックHeliosの最新仕様を独自解説 (1/3)


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